結論
墓じまいをしたいのですが、改葬の許可はどこに何を出せばいいんでしょうか
順序が決まっています。磐田市公式ウェブサイトの「市営墓地」ページによると、改葬許可申請は移し先の墓地や納骨堂を決めてからの手続きで、手数料は1件につき300円、窓口は市役所西庁舎1階の環境課生活環境グループです。申請書には現在の墓地の管理者から、埋葬または納骨の事実を証明する記名押印をもらう必要があります。
改葬許可申請は、移し先を決めてから。磐田市の手数料は1件につき300円
磐田市公式ウェブサイトの「市営墓地」ページを2026年8月24日に確認した。ページは2026年8月4日に更新されている。改葬については「移し先となる墓地または納骨堂等を決定してからの手続きとなります」と書かれている。手数料は1件につき300円。根拠法令として、墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号)第5条第1項と、磐田市手数料条例第2条が挙げられている。窓口は環境水道部 環境課 生活環境グループで、市役所西庁舎1階にある。
順序を先に押さえていただきたい。「まず市役所で許可をもらって、それから移し先を探す」という順番を思い浮かべる方は少なくないはずだが、実際は逆である。申請書には改葬の場所を書く欄がある。磐田市の記入例も「改葬先が決定していることが分かる書類(許可証・領収書等)の写しを添付してください」と指示している。行き先が決まっていないと、書く欄が埋まらない。
一つ断っておく。手続きの形は法律と市の条例で決まっている。ただし、いま遺骨が納められている墓地の管理者は、寺院墓地なら菩提寺である。証明欄にいつ、どういう形で記名押印してくれるかは寺ごとに違う。宗派によっても、住職の在寺の事情によっても違う。ここに並べるのは磐田市が公表している手順と国の条文であって、ご自分の菩提寺がどう応じるかを言い当てるものではない。
磐田市の案内と施行規則から、手続きの順番を書き出す。
- 移し先(新しい墓地・納骨堂・合葬墓など)を決め、受入れが分かる許可証や領収書を受け取る
- いまの墓地の管理者に、埋葬または納骨の事実を証明する記名押印をもらう
- 磐田市の環境課 生活環境グループに改葬許可申請書を出し、300円を払う
- 改葬許可証を受け取る
- 遺骨を取り出し、移し先に改葬許可証を渡す
300円という数字を、磐田市の他の金額と並べておく。市営霊園の管理料は年2,090円。改葬の手数料300円は、その約7分の1にあたる。使用料が170,000円の霊園と比べれば0.18%である。この手続きで、いちばん軽いのが300円の部分だ。重いのは、そこに至るまでに集める書類と、書類に判をもらう相手との話のほうである。墓じまい全体の流れは墓じまいの基礎資料にまとめてある。
申請書に書く7項目は、国の施行規則が決めている
改葬許可申請書に何を書くかは、墓地、埋葬等に関する法律施行規則(昭和23年厚生省令第24号)第2条第1項が定めている。市町村ごとに様式の見た目は違っても、書く中身はこの7項目で共通する。
- 死亡者の本籍、住所、氏名及び性別
- 死亡年月日
- 埋葬又は火葬の場所
- 埋葬又は火葬の年月日
- 改葬の理由
- 改葬の場所
- 申請者の住所、氏名、死亡者との続柄及び墓地使用者又は焼骨収蔵委託者との関係
この一覧で手が止まりやすいのは、上から4つめの「埋葬又は火葬の年月日」だと私は見ている。曾祖父母の代の遺骨だと、家では誰も年月日を知らない。死亡年月日は除籍謄本を取れば出てくるが、いつ墓に納めたかは墓地の管理者の記録に頼るしかない。だから手順の2番目、菩提寺への確認が先に来る。役所に行く日ではなく、寺に電話する日が、この手続きの実質的な起点になる。
磐田市の様式は、表面に代表となる1名を書き、その横に「他 体(裏面のとおり)」という欄を置いている。裏面には氏名・性別・本籍・住所・死亡年月日・埋葬または火葬の年月日を並べる一覧があり、行数は15行ある。市は「申請書を印刷するときは、両面印刷でお願いします」と書き添えている。1枚の様式で複数体を扱う作りになっている。
確認しきれなかったことを書いておく。手数料の「1件」が、申請書1枚を指すのか遺骨1体を指すのかは、市が公表している範囲からは読み取れなかった。移す遺骨が4体、5体とある家では、窓口に持っていく現金の額が変わる。体数が複数なら、申請の前に電話(0538-37-2702)で聞いておくほうが早い。
300円より重いのは添付書類。名義人以外が出すなら承諾書が要る
改葬許可申請書には、添付しなければならない書類がある。墓地、埋葬等に関する法律施行規則第2条第2項が挙げているのは3つ。①墓地または納骨堂の管理者が作成した、埋葬もしくは埋蔵または収蔵の事実を証する書面。②申請者が墓地使用者等以外の者である場合は、墓地使用者等の承諾書。③その他市町村長が特に必要と認める書類である。
②が、この手続きの本当の関門だと私は考えている。墓地使用者――つまり墓の名義人が、すでに亡くなった祖父のままになっている家がある。名義人が父で、その父が施設に入っていて自分で判を押せない、という場合もある。そのとき申請書の「墓地使用者等との関係」の欄に「本人」とは書けない。承諾書を用意するのか、先に承継の届けを出すのかで、必要な書類も日数も変わる。名義が止まったままだと何が起きるかは墓の名義変更をしないとどうなる|2026年の登記義務化と同じ壁に書いた。
私はこう考える。改葬と家の売却は、止まる場所が同じである。売る意思は家族で固まっているのに、名義が亡くなった方のままで、相続人の一人と連絡がつかない。家の相談で詰まるのはそこであって、金額ではない。改葬も同じで、300円を財布に入れることより、名義人が誰かを確かめるほうが順番として先に来る。私はそう案内している。
縁故者がいない墓の場合は、手続きの重さが桁違いになる。同施行規則第3条は、無縁墳墓等の改葬に、写真と位置図を添えるよう定めている。それに加えて、官報に掲載し、かつ墓の見やすい場所に設置した立札に1年間掲示したうえで、その期間中に申し出が無かった旨を記載した書面も要る。1年である。ここは家の都合で短くできない。ご自分の家の墓が誰の名義かはっきりしないまま放置すると、300円の手続きが1年がかりの手続きに変わる、ということでもある。
窓口は西庁舎1階。良い点を3つ数えてから、注文を1つ書く
磐田市で改葬許可申請を受け付けているのは、環境水道部 環境課 生活環境グループである。場所は磐田市国府台3-1、市役所西庁舎1階。受付時間は平日の午前8時30分から午後5時15分まで。電話は0538-37-2702。申請書は市のページからダウンロードでき、PDFのほかWord形式も置かれている。記入例のPDFも別に用意されている。
公表のしかたについて、良い点を3つ数えたい。1つめは、手数料300円と根拠法令が同じ画面に並んでいること。金額の出どころが分かる書き方は、窓口で聞き直す手間を減らす。2つめは、記入例のPDFが独立して置かれていること。改葬の理由の欄に「墓所移転・墓地廃止・その他」という選択肢が印字されていることも、記入例を開けば申請前に分かる。3つめは、Word形式が置かれていること。手書きがつらい年代の方が、家族に代わりに打ってもらえる。
その上で、一事業者として注文を1つ書いておく。郵送で出せるのか、代理人が出せるのか、遺骨の体数が複数のときに手数料がどう数えられるのかが、ページからは分からない。磐田市に住民登録のない相続人が、県外から実家の墓を片づける形もある。改葬の許可を出すのは遺骨が現にある市町村なので、その人たちの問い合わせ先も磐田市の窓口になる。この3行が加われば、環境課にかかる電話が1本減る。仕組みを変える話ではなく、窓口がすでに口頭で答えている内容を書き足す話である。
移し先を磐田市営霊園にする場合は、持ち物がもう1組ある。市営墓地の使用申請には、埋火葬許可証(改葬の場合は改葬許可証)または焼骨の埋蔵か収蔵の事実を証明する書類が要る。申請者本人が自署できない場合ははんこ、市外にお住まいの方は本籍地入りの住民票と戸籍謄本も加わる。改葬許可証が先に要る場面と、後で要る場面があるので、両方の窓口の順番を一度紙に書き出しておくと迷わない。
県内でどれくらい動いている手続きなのかも押さえておきたい。厚生労働省の令和6年度(2024年度)衛生行政報告例によると、静岡県の改葬件数は6,526件だった。静岡県の市町は35(23市12町、令和7年4月1日現在)なので、単純に割ると1市町あたり年186件、月にすると15件ほどになる。人口の差を無視したざっくりの割り算だが、桁は見える。窓口にとっては毎日ある仕事ではなく、月に十数件の仕事である。全国で改葬が3年続けて最多を更新している流れは墓じまいが増えている|改葬17万件を磐田の実感で読むに書いた。
今日できる確認は3つ。300円を払うのは、いちばん最後でいい
改葬すると決めていなくても、今日のうちに終わる確認が3つある。どれも申請書を書かずに済み、費用もかからない。この3つが揃ってから移し先の話をするほうが、結果として早い。
- 墓の名義が誰になっているかを確かめる。使用許可証が家にあれば名前が書いてある。見つからなければ、市営墓地なら環境課、寺院墓地なら菩提寺に、名義人の名前を確認する。承諾書が要るかどうかがここで決まる。
- 移す遺骨が何体あるかを数える。墓誌に刻まれた名前と、家で把握している人数が合わないことがある。体数は申請書の裏面の行数になり、移し先の費用にも直結する。
- 菩提寺に、証明欄をいつ書いてもらえるかを聞く。お盆やお彼岸の前後は寺が最も立て込む時期である。書類を持って行く日を先に決めておくと、こちらの段取りが組める。
私がまだ答えを持てずにいるのは、改葬の理由の欄をどう書くかである。様式には「墓所移転・墓地廃止・その他」という選択肢が並んでいる。けれども家の相談の場で出てくる理由は、もっと生活の側の言葉だと私は考えている。「継ぐ人がいない」「県外に出た子どもの近くに移したい」「実家を売るので墓だけ残せない」。役所に出す一行と、家族の間で交わされた言葉は同じではない。どちらの言葉で家族会議をまとめるのが良いのか、私はまだ決めかねている。ここは宿題として残す。
最後に繰り返す。この記事の数字と手順は、磐田市が公表している内容と、国の法律・施行規則の条文である。証明欄の書き方、遺骨を取り出す日の段取り、閉眼供養をどうするかは寺ごとに違う。宗派によっても違う。ご自分の家がどうなるかは、最後は菩提寺に確認していただきたい。改葬許可の個別の扱いは遺骨のある市町村の窓口へ、相続と登記の個別判断は司法書士へお願いしたい。菩提寺への切り出し方は墓じまいの相談、秋彼岸まで1か月で菩提寺に聞く3つに、お墓まわりの記事はお墓の記事一覧にまとめてある。
FAQ
よくある確認
改葬許可申請は、どこに出せばいいですか。
遺骨がいま納められている墓地のある市町村です。墓地、埋葬等に関する法律第5条第2項が「死体又は焼骨の現に存する地の市町村長」と定めています。磐田市内の墓なら市役所西庁舎1階の環境課生活環境グループが窓口で、受付は平日の午前8時30分から午後5時15分まで、手数料は1件につき300円です。
申請の前に、遺骨の移し先は決まっていないといけませんか。
磐田市は「移し先となる墓地または納骨堂等を決定してからの手続き」と案内しています。申請書には改葬の場所を書く欄があり、市の記入例は改葬先が決定していることが分かる書類(許可証・領収書等)の写しの添付を求めています。行き先が決まる前に許可だけ先に取る、という順序にはできません。
墓の名義人が亡くなった祖父のままです。それでも申請できますか。
申請者が墓地使用者等以外の場合、墓地、埋葬等に関する法律施行規則第2条第2項は墓地使用者等の承諾書の添付を求めています。名義人が故人のままだと、承諾書を誰が書くのかで止まります。承継の届けを先に出すのか別の書類で足りるのかは扱いが分かれるため、磐田市環境課と菩提寺の両方にご確認ください。
Links
あわせて読む
Sources
出典・確認先
- 参考 磐田市公式ウェブサイト「市営墓地」
改葬は移し先を決定してからの手続きであること、手数料1件につき300円、根拠法令は墓地、埋葬等に関する法律第5条第1項および磐田市手数料条例第2条、窓口は環境水道部環境課生活環境グループ(磐田市国府台3-1・市役所西庁舎1階、平日8時30分~17時15分、電話0538-37-2702)、市営墓地の使用申請の持ち物、管理料年2,090円・使用料170,000円~300,000円。2026年8月4日更新のページを2026年8月確認
- 参考 磐田市「改葬許可申請書記入例」(PDF)
手数料300円の注記、「改葬先が決定していることが分かる書類(許可証・領収書等)の写しを添付」の指示、改葬の理由欄の選択肢「墓所移転・墓地廃止・その他」、表面に代表1名と「他◯体(裏面のとおり)」欄、裏面の一覧と両面印刷の指示。2026年8月確認
- 参考 e-Gov法令検索「墓地、埋葬等に関する法律施行規則」(昭和23年厚生省令第24号)
第2条第1項の記載7項目、第2条第2項の添付書類3種(管理者の作成した埋葬・埋蔵・収蔵の事実を証する書面/墓地使用者等以外の者による申請の場合の承諾書/その他市町村長が特に必要と認める書類)、第3条の無縁墳墓等における官報掲載と立札1年間の掲示。2026年8月確認
- 参考 e-Gov法令検索「墓地、埋葬等に関する法律」(昭和23年法律第48号)
第5条第1項の改葬は市町村長の許可を受ける旨、第5条第2項の許可権者は「死体又は焼骨の現に存する地の市町村長」である旨を条文で確認。2026年8月確認
- 参考 e-Stat 令和6年度衛生行政報告例 第4章 生活衛生 第6表(埋葬及び火葬の死体・死胎数並びに改葬数)
2025年10月21日公表。令和6年度の全国の改葬件数176,105件、静岡県6,526件。2026年8月確認
- 参考 静岡県公式ホームページ「県内市町リンク集(静岡県地図版)」
静岡県内の市町は23市12町の合計35市町であること。2026年8月確認
制度・金額・期限は変わります。相続、税、登記にかかわる個別の判断は、税理士・司法書士などの専門家と菩提寺にご確認ください。 本記事は一般的な情報であり、特定の寺院・家・土地についての判断ではありません。