結論
実家を売るとき、法要も終わりにしたほうがいいの?
弔い上げは、故人の年忌法要に区切りを設けることを指します。ただし宗派・寺院・地域で考え方が違い、浄土真宗には弔い上げの考え方がないとする寺院の説明もあります。私は、磐田の実家を売る日で法要の終わりを決めません。担い手・会場・連絡先を整理し、続け方を相談する順番を勧めます。最後は菩提寺に確認を。
弔い上げとは、宗派・寺院・地域で違う法要の区切り
弔い上げ(とむらいあげ)は、故人の年忌法要に区切りを設けることを指す。ただし、宗派・寺院・地域で意味や扱いが違う。「何回忌で終えるか」を全国共通の答えにすることはできない。家族が高齢になった事情と、菩提寺が大切にしている考え方の両方を確かめたい。
大石浩之(磐田市/不動産業)です。私は僧侶でも寺院関係者でもなく、実家じまいと相続の相談を受ける側にいる。この記事では教義の正解を決めず、家の売却と法要の相談をどう並べるか、私の判断を書く。
真宗大谷派三宝寺の2021年4月9日付回答は、年忌法要の区切りには地域や宗派による違いがあると説明している。そのうえで、同寺の宗派である浄土真宗には弔い上げの考え方がないとしている。年回の数字を調べる前に、弔い上げという言葉を自分の家に当てはめてよいか、確認が要る。
一方、真言宗智山派の赤坂不動尊威徳寺は、三十三回忌、家によってはそれ以降を区切りとして案内している。同寺の説明では、区切りの後も盆や施餓鬼で先祖の供養を続ける。公表日の表示はなく、2026年10月12日に掲載内容を確認した。これは同寺の案内であり、磐田の菩提寺の決まりを示すものではない。
私が見落としたくないのは、弔い上げの後も供養を続ける案内があることだ。「年忌法要の区切り」と「故人を思うことの終わり」を、同じ意味で家族へ伝えない。言葉を分ければ、終わらせることへの抵抗も、続ける負担も話題にできる。用語の整理には寺院に関する基礎資料も使えるが、自分の家の答えは別に聞く必要がある。最後は菩提寺に確認を。
全国の高齢化率29.4%を、法要の担い手から考える
内閣府の2026年6月12日会見の発言要旨では、同日の高齢社会白書の閣議決定と、日本の高齢化率29.4%が確認できる。これは全国の状況であり、磐田市の法要の実施状況や、弔い上げを選ぶ家族の割合を示す統計ではない。2026年に公表された数字を、2026年10月12日の磐田の実測値とも扱わない。
私はこの数字から「高齢化したから法要を終えよう」とは考えない。家族の段取りへ置き換えるなら、これまで連絡を取りまとめてきた人が、次の年回にも同じ仕事を引き受けられるかを聞くきっかけにする。全国の割合から、目の前の親族の体力や希望までは分からないからだ。
たとえば磐田の豊田地区に実家を残し、相続した家族は別の地域で暮らす場合を考える。これは実際の相談事例ではなく、私が確認したい場面の例である。法要の前日に実家の掃除をし、当日は親族を迎え、終わったら片づける。その仕事を誰が持つのか。泊まる場所がなくなった後、誰がどこから来るのか。家を売るかという問いだけでは、この負担は見えない。
私は、親族の人数を数えるだけでなく、連絡・移動・会場準備の担当を別々に書く方法を勧める。連絡はできても運転は難しい人もいれば、当日は来られなくても寺への電話を引き受けられる人もいる。年齢で一括りにせず、本人ができることを本人に聞く。高齢化率は背景であり、担当を決める根拠は家族から聞いた具体的な事情である。
負担を言葉にできれば、「続けるか、終えるか」の前に相談事項ができる。会場を実家以外にする余地、参列の人数、日取りを相談する余地だ。法要の相談に関する記事を読むときも、自分の家で困っている作業を一つ決めてから探すと、情報に振り回されにくい。
私は、実家の売却日で法要の終わりを決めない
実家の引渡し予定と、故人の年忌法要をどう続けるかは、別々に判断したい。私は、家の引渡し日を、故人の法要を終える理由にしない。買主へ家を渡す段取りが進んでも、家族と菩提寺の相談まで終わったことにはならないからだ。
私にも迷いはある。売却と法要の区切りを一緒に決めれば、家族の予定は組みやすい。空き家を管理する人の負担を長引かせたくない気持ちもある。ただ、予定が組みやすいという理由だけで「これが最後です」と親族へ案内するのは、私なら待つ。これは経験談ではなく、家の相談を受ける立場からの判断である。
家を残して法要を続けることだけが選択肢ではない。私は、実家の会場としての役割と、法要そのものを分けて考えたい。寺や別の場所で営めるかは相談事項にできる。実家に集まる形を変えることと、法要の区切りを設けることを、家族の話し合いで一つにしない。
逆に、法要の相談がまとまらないからといって、家の管理の話を止める必要もないと私は思う。鍵を誰が持つか、郵便物を誰が確認するか、仏壇や記録を誰が預かるかは、先に整理できる。実家じまいの段取りでは、結論を急ぐより、決められる作業を分けて進めたい。
年回の確認には2026年の年回忌早見表が役立つ。ただし、早見表が答えるのは没年と年回の対応までだ。「その年回を最後にするか」という別の問いを、表に答えさせない。この区別を家族で共有してから菩提寺へ相談したい。
菩提寺には「最後にしたい」の前に、困っている作業を伝える
菩提寺への相談は、故人の没年月日、これまでの法要、家族が難しくなった作業を揃えると具体的になる。「弔い上げをお願いします」と結論だけ伝えるより、宗派や寺の考え方を聞き、自分の家に合う相談の入口を探したい。
私は次の順番で聞くことを勧める。寺に判断を丸投げするためではない。家族の希望と寺からの説明を混ぜず、話し合いへ持ち帰るためである。
- 言葉と年回を確認する。「こちらでは弔い上げという考え方がありますか。故人の没年月日はこの日ですが、次の年回をどう考えればよいですか」と聞く。
- 負担と希望を具体的に伝える。「実家の売却を考えています。親族の送迎と自宅での準備が難しくなりました。法要の続け方を相談できますか」と話す。
- 区切りの後まで聞く。区切りを設ける場合は、その後の盆や寺との連絡をどうするか、位牌や過去帳をどう扱うかを確認する。
この聞き方で、どの寺でも同じ対応になるわけではない。少人数で営む方法や会場の変更が可能か、日取りをどう調整するかは、その寺の案内に従って確認する。布施なども他寺の金額を当てはめず、依頼内容を伝えて尋ねる。最後は菩提寺に確認を。
故人が複数いる家では、相談の対象も一人ずつ分けておきたい。祖父の年回の話をしているのか、父の法要も含めて考えているのかが曖昧だと、家族の受け止めがずれる。「家の法事を終える」という大きな言葉を先に使わず、誰について何を相談したかを記録する。私は、この小さな区別を省かないほうが、後から親族へ説明しやすいと考える。
私なら、電話をする家族と、回答を記録する家族を決める。連絡係になった人が、その場ですべてを承諾する役まで負わないようにするためだ。「一度、家族へ伝えて相談します」と持ち帰れるよう、電話の前に共有しておく。
記録には、聞いた日、相手、回答、まだ決めていない項目を分けて残したい。「相談できる」という回答を「実施が決まった」と伝えない。親族への案内は、法要の形と日時が確認できてから出す。売却予定だけ決まっている段階なら、その状態のまま寺へ伝えればよい。
今日残す1枚は、法要を終える宣言ではなく引き継ぎのメモ
実家を相続した家族が今日できることは、故人の記録と菩提寺への連絡先を1枚に集めることだ。弔い上げをするかどうかは未定のままでよい。次に話す人が同じ材料を見られる状態を、私は今日の成果にしたい。
紙には、故人の氏名と没年月日、分かる範囲の直近の法要、菩提寺の名称と電話番号、家族の連絡担当を書く。実家の売却予定には「未定」「相談中」など、今の状態をそのまま記す。法要については希望と決定事項を別の欄にする。分からない項目を推測で埋める必要はない。
過去帳や寺からの案内を片づけの荷物に埋めないことも、私なら先に決める。家を空けた後の保管先と、必要なときに取り出せる人を残す。記録の引き継ぎは過去帳の引き継ぎの3手順で整理している。記録を残すことは、法要を必ず続けると約束することではなく、後から考える材料を失わないための準備である。
家族の意見が分かれたら、「続けたい人」と「やめたい人」に分ける前に、それぞれ何を守りたいかを聞きたい。故人を思う機会なのか、親族の集まりなのか、送迎する人の体力なのか。私は、負担を軽くしたいという言葉を、そのまま故人への思いが薄れたという意味には受け取らない。
実家の売却を進めながら、法要の結論を保留する余地は残したい。そのために、売却後も届く連絡先と、相談を引き継ぐ人を先に決める。今日、法要の終わりまで決める必要はない。家の予定と供養の相談を分け、制度・作法・費用を含む個別の扱いは、最後は菩提寺に確認を。
FAQ
よくある確認
弔い上げは三十三回忌で必ず行うのですか?
三十三回忌で一律に行うものではありません。宗派・寺院・地域で扱いが異なり、浄土真宗には弔い上げの考え方がないとする三宝寺の説明もあります。威徳寺は三十三回忌以降の区切りと、その後の供養を案内しています。他寺の説明を自分の家の決まりにせず、最後は菩提寺に確認を。
実家を売るときに弔い上げも必要ですか?
実家の売却日を理由に、法要の終わりまで決めることを私は勧めません。家の引渡しと、法要の続け方は別の相談です。実家での準備や親族の宿泊が難しくなるなら、会場、連絡担当、記録の保管先を先に整理できます。売却予定と家族の事情を伝え、法要の扱いは最後は菩提寺に確認を。
親族が高齢で集まれないときは、法要をやめるしかありませんか?
集まれない事情だけで、法要を終えると決める必要はないと私は考えます。送迎、自宅の準備、連絡のうち、難しい作業を具体的にして相談してください。少人数や別の会場で営めるかは、宗派や寺院の案内によって変わります。親族全員の出席を前提に結論を急がず、最後は菩提寺に確認を。
Links
あわせて読む
Sources
出典・確認先
- 参考 内閣府・令和8年6月12日記者会見要旨
2026年10月確認(10月12日)。高齢社会白書の閣議決定と全国の高齢化率29.4%。
- 参考 真宗大谷派三宝寺・法事は何回忌までやれば良いのでしょうか?
2026年10月確認(10月12日)。2021年4月9日付回答。
- 参考 赤坂不動尊威徳寺・法事
2026年10月確認(10月12日)。公表日表示なし。三十三回忌以降の区切りと、その後の供養の案内。
制度・金額・期限は変わります。相続、税、登記にかかわる個別の判断は、税理士・司法書士などの専門家と菩提寺にご確認ください。 本記事は一般的な情報であり、特定の寺院・家・土地についての判断ではありません。