結論
初めて法事の施主をします。挨拶で実家の売却にも触れたほうがよいですか。
宗派・寺院・地域で法事の進行は異なります。私は施主挨拶を「参列への感謝・故人をしのぶ言葉・当日の案内」の3項目に絞ることを提案します。実家売却は挨拶に混ぜず、欠席者も含めて別席で相談します。例文は自家の法要名と予定に直し、挨拶の時機は菩提寺へ確認してください。
2026年秋彼岸の入りに、挨拶と家の話を分ける
法事の進行や施主が挨拶する場面は、宗派・寺院・地域で異なる。ここで示す3項目と例文は、宗派共通の作法ではない。大石浩之(磐田市/不動産業)が、初めて施主を務める家族へ提案する原稿の組み立て方である。私は僧侶でも寺院関係者でもなく、実家じまいと同じ場で菩提寺の話を聞く側から考えている。
浄土宗公式「秋季彼岸会」は、令和8年の秋彼岸を2026年9月20〜26日と案内している。入りは20日、中日は23日、明けは26日。公開日の表示はなく、2026年9月20日に本文を確認した。秋分の日の23日だけがお彼岸なのではなく、前後を含めた7日間である。
私が分けたいのは、彼岸の暦と自家の法事の日程だ。彼岸入りだから、その日に家族の法事も行うと決まるわけではない。今日9月20日に原稿を用意する人も、すでに決めた法要名、日時、会場を手元の案内と照合してほしい。案内が未確定なら、法要案内をいつ出すかの整理から確認する。
親族が顔を合わせる日に、実家の相談も進めたくなる。その良さは、別々に連絡する負担を減らせることだ。ただ、施主挨拶へ売却の結論まで入れると、何を聞きに集まった席なのかが変わる。私は挨拶の紙と家の相談の紙を分ける。故人をしのぶ時間を確保し、家の判断には別の返事をもらうためである。
施主挨拶は「感謝・故人・当日の案内」の3項目
施主挨拶の原稿を私が組むなら、参列への感謝、故人をしのぶ言葉、当日の案内の順にする。上手な演説を目指すより、集まった人が挨拶の終わりと次の動きを理解できる文にしたい。以下の分け方は私の提案であり、浄土宗公式資料が定めた挨拶の型ではない。
| 項目 | 原稿に入れる内容 | 外へ出す内容 |
|---|---|---|
| 感謝 | 足を運んだこと、時間を取ったことへのお礼 | 欠席者への不満、誰の負担が大きかったか |
| 故人 | 確認できる思い出を一つ、または共にしのびたい気持ち | 作った逸話、家族の同意がない病歴や事情 |
| 当日の案内 | 確認済みの会食、移動、解散の予定 | 実家売却への賛否、家財処分の了承 |
感謝は「本日はお集まりいただき、ありがとうございます」で足りると私は考える。遠方から来た人だけを強調すると、近くで準備をした人への礼が抜けることもある。移動距離を比べず、参列した全員へ向ける書き方なら、事前に家族の貢献を順位づけせずに済む。
故人の部分で迷ったら、無理に思い出話を探さない。「皆様と一緒に父をしのぶ時間を持てたことを、ありがたく思います」と、自分の気持ちを書く方法もある。私が避けたいのは、立派な挨拶にするために故人の性格や言葉を作ることだ。短くても、自分で確かめられる言葉を選ぶ。
当日の案内には、決まった予定だけを入れる。「この後は会食です」だけでなく、移動先を誰が案内するかまで書く。会食を設けないなら、解散の案内へ差し替える。法要後の流れが未確認のときは、原稿を埋める前に施主から菩提寺へ確認する。準備項目は法要ガイドも参照できる。
法事の施主挨拶の例文は、使う場面で差し替える
施主挨拶の例文は、法要後に会食へ移る場面と、会食をせず解散する場面で最後を変える。次の例は「父の一周忌を終えた後」という仮の設定で作った文である。実際の故人との続柄、法要名、当日の予定に必ず直し、寺から指定された進行に合わせて使ってほしい。
法要後、会食へ移る場合の例文
本日は父の一周忌にお集まりいただき、ありがとうございます。皆様と一緒に父をしのぶ時間を持てたことを、家族一同ありがたく思っております。生前にお寄せいただいたお心遣いにも、あらためて御礼申し上げます。この後は、別会場で食事の席を用意しております。移動については私からご案内いたします。本日はありがとうございました。
この例文は、会食の会場と案内役が決まっている場合に使う。住職へのお礼を同じ挨拶に含める予定なら、「本日はお勤めいただき、ありがとうございました」など、当日の場に合う一文を家族と確認して足す。誰に向けて話す場面かを確かめず、例文の相手だけを増やさない。
会食をせず、法要後に解散する場合の例文
本日は母の法要にお集まりいただき、ありがとうございます。皆様と母をしのぶことができ、ありがたく思っております。本日は食事の席を設けておりませんので、こちらでお開きとさせていただきます。どうぞお気をつけてお帰りください。本日はありがとうございました。
後の例では、法要名が決まったら「母の法要」の部分も具体的な名称に直す。墓参りが続く日には、そのまま解散の文を読まない。「この後のお墓参りについてご案内します」と差し替え、移動先や同行する人を案内する。例文が実際の段取りと一致しているかを、準備を手伝う人に読んでもらう。
始まる前の挨拶を求められた場合も、終わった後の文をそのまま使わない。「本日は父の一周忌にお集まりいただき、ありがとうございます。皆様と父をしのぶ時間にしたいと思っております」とし、開始前の案内を加える。すでに法要を終えたような言葉や、早すぎる解散案内を削るのが先だ。
私なら、原稿を一度声に出して読み、息継ぎに迷った所で文を切る。時間は自分の準備上の目安として1分程度に収めたい。ただし全国共通の制限時間ではない。悲しみで言葉が止まることも考え、全文を覚える準備より、紙を見て戻れる準備を選ぶ。
法事に来たことを、家を売ることへの賛成に数えない
法事への参列と実家売却への返事は、別の意思として扱うべきだと私は考える。挨拶の最後に「実家も売ることにしました」と初めて告げれば、親族は皆の前で返事を求められたように受け取るかもしれない。これは特定の相談の実話ではなく、家の相談を受ける私の判断である。
法事に来たことを、家を売ることへの賛成に数えない。私はここに線を引く。法事には出席しても、家の資料はまだ見ていない人がいるという前提で進めたい。今日決めるのは挨拶の言葉でよく、売却か保有かの結論までそろえる必要はない。決めるための材料が一つ増えれば、それも前進だ。
私にも迷いはある。遠方の家族が磐田へ戻る機会を、まったく使わないのは惜しい。移動を重ねずに家を見てもらえる利点はある。それでも、食事の途中で突然査定の話を始めるより、事前に「法事とは別に、家の現状を確認する時間を取れますか」と聞くほうを選ぶ。断れる聞き方を残しておきたい。
例えば、磐田市の見付に実家がある家族を想定する。これは説明用の仮定である。法要会場から実家へ立ち寄る人がいても、全員が家の相談へ参加できるとは限らない。帰りの都合を先に聞き、別席では「誰が鍵を持つか」「どの部屋を確認するか」から話す。家の片付けを考える材料は実家じまいガイドへ分けて置ける。
別席の切り出し方は、「家の現状を共有したいので、相談できる日を別に決めたいです。今日は売るかどうかの結論は求めません」とする。すでに期限のある用件なら、理由と具体的な日付を事前に知らせる。急ぐ事情を伏せて保留するのでも、参列した人だけで押し切るのでもない。
欠席した親族にも同じ資料を送り、意見を聞く日を別に設ける。法事に来られなかった理由と、家の話への関心は一緒に判断しない。欠席の返事を受ける段階では、法事の欠席連絡で分ける3項目のように、参列の返事と実家の相談日を分けると伝わりやすい。
原稿を仕上げる前に、菩提寺と家族へ一つずつ確認する
施主挨拶の準備で最初に確かめたいのは、施主がいつ、誰に向けて話すかである。原稿の文章を磨く前に、施主から菩提寺へ「家族への挨拶は始まる前と終わった後のどちらで、どこで行えばよいですか」と聞く。会食会場の進行役が別にいる場合は、その人にも順番を共有する。
家族には、故人との続柄と法要名、例文に入れた思い出、会食や解散の案内を見てもらう。誰かが用意した原稿を読む場合ほど、自分が分からない言葉を残さない。難しい表現へ直すより、故人を何と呼ぶかを自分の口に合う言葉へ整えるほうが、私は読みやすいと考える。
- 感謝、故人、当日の案内を、それぞれ別の段落に書く。
- 法要名、会場、移動の案内役を、確定した予定と照合する。
- 声に出して読み、読みにくい文を短くする。止まったときは紙を見て続ける。
- 家の売却や家財処分の文が混じっていたら、別席の相談メモへ移す。
実家のメモには、確認できたことと未定のことを分けて書く。鍵の所在、家の写真を共有する相手、次に話す日が記録できればよい。実家カルテを使う場合も、仏壇や位牌の扱いまで一度に決めなくてよい。家を売る話と、菩提寺へ聞く話の連絡先を分けておく。
私は、施主の仕事を「集まった日に全部決めること」にはしたくない。感謝を伝え、故人をしのび、次の動きを案内できる原稿を用意する。家の話は、話す相手と日時を改めてそろえる。法要の進行や作法、費用を伴う相談は家ごとの条件がある。最後は菩提寺に確認を。
FAQ
よくある確認
法事の施主挨拶は何分くらいにすればよいですか。
全国共通の制限時間としては示せません。私は準備の目安を1分程度に置き、感謝、故人をしのぶ言葉、当日の案内に絞ることを提案します。原稿を声に出し、長ければ実家整理など別の用件を外します。これは宗派の規定ではありません。挨拶する場面と進行は、事前に菩提寺や当日の進行役へ確認してください。
施主挨拶は紙を見ながら読んでもよいですか。
私は暗記より、紙を見て落ち着いて読める準備を勧めます。宗派共通の作法を断定するものではないので、挨拶する位置や時機と合わせて菩提寺へ確認してください。感謝、故人、案内を段落で分け、故人との続柄と法要名を家族にも確認してもらいます。途中で止まったときに戻る行が分かる原稿にしておくと安心です。
親族が集まる法事で実家売却を相談してはいけませんか。
私は法事の日の相談自体を否定しません。ただし、施主挨拶からは外し、事前に相手の都合を聞いた別席にします。参列を売却への賛成と扱わず、欠席者にも同じ資料を共有してください。その場で結論を求めるより、家の現状と未確認の事項を分け、次に話す日を決める進め方を提案します。
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Sources
出典・確認先
- 参考 浄土宗公式「秋季彼岸会」
2026年9月確認(9月20日)。令和8年秋彼岸は9月20〜26日、入り20日・中日23日・明け26日。公表日の表示なし。挨拶の構成・例文は同資料の規定ではなく、大石浩之の提案。
制度・金額・期限は変わります。相続、税、登記にかかわる個別の判断は、税理士・司法書士などの専門家と菩提寺にご確認ください。 本記事は一般的な情報であり、特定の寺院・家・土地についての判断ではありません。